差別

 アメリカでジョージ・フロイドさんが白人警官の膝で首を押さえつけられ、窒息死した事件に対して、世界中で講義のデモが起きている。現在、問題になっていることはトランプ大統領が、デモ抗議を暴動かのようにする発言を続け、状況をより悪化させるような発言を続けていることだ。自由民主主義国の先頭に立ち続けたリーダーであるアメリカで、いまだに人種差別がなくなっていないことに、日本人は呆れており、SNSはトランプ批判で炎上している。

 しかし、自分の身を振り返り考える必要があるだろう。日本人には人種差別意識がないと言い切ることができるのであろうか。歴史上、単一民族国家であったので、人種差別がないと言えるか。そのような根拠はない。

 在日朝鮮人に向けたヘイトスピーチやヘイトクライムは、ネットや実生活で広く存在している。東京・東大久保のコリアンタウンでは、罪に朝鮮人排斥団体の醜悪なデモが続いている。さらに中世から近世を通して存在した賤民問題の名残である部落差別問題もあった。「ヘイトスピーチ解消法」と「部落差別解消推進法」が制定されたのは、2016年と最近のことだ。4年たった今でも、こうした問題が何も変わっていない。

 さらに、新型コロナウイルスに感染した人や、他県から来たとされる車に対し石を投げる、そして暴言を吐くというような‟コロナ差別“まで起きてしまっている。このような状況で、日本人には差別意識がないというのは錯覚か思い込みにすぎないであろう。

 アメリカで起きた黒人への人種差別は深刻なものであり、トランプ大統領の対応も問題である。しかし、日本国内でも差別は起きている。自分のことを棚に上げて、一方的にアメリカのことを批判し続けることはできない。自分たちの内面にある差別意識を再確認しなければ、なくすことはできないのであろう。

函館ジャーナリズム

北海道教育大学 函館校の二年生による『地域プロジェクト』という活動の中で、函館市内のニュースをまとめました。

0コメント

  • 1000 / 1000