成人式
札幌市は、新型コロナウイルスが拡大している影響を受けて、2020年度の成人式を中止した。感染収束の予測ができないため、式典の延期も予定していない。北斗市、函館市、森町も中止だ。人生で1度の成人式、札幌市や函館市はせめて、今後に期待をつなげられる延期という決断をできなかったのか、私は複雑な気持ちになっている。
11月に入って、感染が急激に増えている。28日には一日で約2600人と最多を記録した。特に北海道は急増しており、飲食店には営業短縮要請も出た。この中で、日本全国に散らばった約120万人が一斉に移動する成人式は感染拡大リスクが高いだろう。それに、成人式の後は若者の盛大な飲み会が始まる。自粛要請があっても守らない若者が出てくるのを懸念するのは、よくわかる。
けれども、東京都や大阪府など、大都市圏では実施される方向で進んでいる。横浜市ではオンライン実施の予定だったのが、7月に一転して通常開催となった。これらの大都市に比べて、札幌市や函館市には、成人式に寄せる若者の強い期待を精一杯受け止めるという努力が足りないのではないだろうか。
成人式は人生で1度きり。今年1年はこの式を楽しみに過ごしてきた。中止になり、5年ぶりに会う予定だった友達が帰省を取りやめ、会えなくなってしまった。さらに両親に晴れ姿を見せることもできなくなった。ほかにも振袖をレンタルしたが、実際に着ることなく、ただお金を払っただけで終わってしまった人もいる。こういった特別な式典がなくなるのはとても悲しくて、やりきれない。
現在の状況で1月実施は無理にしても、時期を見て皆が晴れの成人を祝うことができるよう、開催の期待をつなげられる「延期」という判断に変えることはできないだろうか。
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