こんにちは
私が野球の遠征で台湾に行ったとき、ホテル・フロントで受け付けたお姉さんの第一声だ。中学生だった私は初の海外遠征に胸を高鳴らせていたが、国際的な知識はもちろん、台湾という国をよく理解してはいなかった。外国である台湾に行くため、英語で想定会話文を作り準備をしていった先での、いきなりの日本語に私は驚いた。試合会場でウォーミングアップをしている時にも、近くを散歩していた老夫婦から日本語で話しかけられて、まるで日本にいるような気がした。台湾が親日的な国だというのを知ったのは帰国後である。
台湾と日本の歴史的な関係は、決して良いものではない。日清戦争で勝利した日本は、清国から台湾を奪い取り、武力で占領し「富国強兵」のスローガンのもと植民地化していった。その歴史に「親日」となる要素は見当たらないし、むしろ「反日」の関係にあるのではと思うかもしれない。
実際に台湾人に対しての差別をはじめ、植民地支配による厳しい規制や政策が行われた。しかし、この時、日本は台湾で土地改革をはじめ、交通網の充実、ライフラインの整備、学校教育を普及させ、産業の育成を行った結果、今の台湾の礎を築いたのである。日本が台湾の生活水準向上に貢献したのも事実なのだ。その後、蒋介石率いる中国国民党が台湾に移転し、戒厳令を敷いて独裁政権を始めた。これが多くの台湾の人々を苦しめ、中国に対する不満と日本の政策が自分たちに良いものであったと思うようになったのだ。この結果、台湾の多くの人は日本に感謝の気持ちを持ち、それが世代を通して語り継がれていったのだという。
台湾は今、国として承認されておらず、コロナ対策で感染拡大を最小に抑えた実績があるのに世界保健機関(WHO)にはオブザーバーとしても認められなかったり、中国からの独立を認められなかったりして、不遇な扱いを受けている。
“国家”として、また隣国として我々が彼らにできることは、歴史を繰り返すのではなく、相互に支え助け合えるパートナーとして、協力していくことである。
0コメント