他人任せ

「おんぶにだっこ」をやめよう。

 コロナ禍の中で、義務教育課程の児童に学力格差が大きくなっている。私は、学童保育でアルバイトを行っており、児童たちが勉強をする姿をよく見る。コロナ禍の後では、以前とは異なり、授業スピードに追い付けず、その日に行った授業の内容さえ覚えておらず、宿題ができない子供が少なくない。

 学校側もこの事態の対応策として、自宅学習プリントの充実や学習指導員の追加など学校の勉強が身につくように努力している。しかし、ある財団のアンケートでは学業が一番不安だと答えた児童が40%、教育格差を感じると答えた児童が60%いた。この統計からみても学校の取り組みだけでは勉強への格差にあまり効果が感じられない。

 また、現在はコロナ禍で自宅学習時間が増えているように見えるが、実は1週間当たりの児童の総勉強時間が全体的に約4割も減っているのだ。勉強が得意な児童の学習時間を以前と今を比べると10時間程度減っているが、40時間前後は勉強している。それに対し、勉強の苦手な児童は20時間程度減り、学習時間も20時間よりも少なくなっている。このことからも勉強は学校任せ、勉強の出来具合は学習塾ありきだということがわかる。学力格差は開く一方である。

 現在はコロナの影響で学校も学習塾も以前のようには行えず、以前通りの勉強の結果を得ることは難しい。これからは、勉強を身に着けるために家族の協力や家での取り組みが必要となる。今までのように学校や学習塾でほぼすべての勉強を補ってもらうことはできないのだ。ニュースなどでは家族や家の取り組みが積極的な様子が放送されるが、その事例はまだ一部に過ぎず、まだまだ意識も取り組も足りない。

 私たちは今まで勉強に対し、他者任せすぎた。自分では何もせず、他者への期待しかしていなかった。けれどこれからは「おんぶにだっこ」ではなく、自分たちで取り組まなければならない。私たちの意識改革の時が来たのだ。

函館ジャーナリズム

北海道教育大学 函館校の二年生による『地域プロジェクト』という活動の中で、函館市内のニュースをまとめました。

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