旧函館区公会堂が40年ぶりに大改修 今春にリニューアルオープン


 函館市元町にある旧函館区公会堂が、約40年ぶりの保存修理工事を終え、2021年(令和3年)4月26日よりリニューアルオープンした。
 
 旧函館区公会堂とは、1910年(明治43年)に函館市民の集会所・商業会議所の事務所として建てられた建物である。他にも演奏会や展示会の会場など広く利用され、1916年(昭和49年)には国の重要文化財となった。この建物は、西洋の建築スタイルを地元・函館の職人によって表現されたものである。他にも、正面のバルコニーや瓦屋根などの特徴がある。
 
 保存修理は2018年(平成30年)10月から約2年かけて行われ、外壁が塗りなおされたほか、建物の耐震補強が実施された。大広間の床はリノリウムという天然素材が敷き詰められ、明治時代の内装がより忠実に再現されている。リニューアルオープン後、大広間や会議所事務室は貸室として、一般市民でも利用できるようになった。
 
 また、館内ではQRコードを各所に設置するようになり、スマホの無料ARアプリCOCOAR(ココアル)を通して、拡張現実内の解説などを楽しめるようになった。小食堂にはシアターが追加され、明治時代の大火がきっかけとなって始まった公会堂の歴史を見ることができる。
 
 旧函館公会堂の一番の見どころは、2回のベランダ・バルコニーからのロケーションである。バルコニーからの眺めは函館の街と海が見渡せる。旧函館公会堂を訪れたほとんどの観光客が、このバルコニーで写真撮影を行っている。
 
 また、当時のドレスを着て写真撮影をすることができる、レンタル衣装サービスも行っている。これも旧函館公会堂の人気のメニューであり、華やかなドレスを着て館内の大広間やバルコニーなどで、自分のカメラやスマートフォンで自由に記念撮影ができる。女性用のドレスや和装だけでなく、子ども用、男性用のドレスも用意されている。
 
 一般公開時間は、夏季(4月1日~10月31)の火曜日から金曜日では午前9時から午後6時まで、土曜日から月曜日までは午前9時から午後7時までとなっている。冬季(11月1日~3月31日)は午前9時から午後5時までは午前9時から午後5時までとなっている。
 
 入館料(個人)は、一般は300円、学生・生徒・児童は150円となっている。他にも、20名以上で適用される団体料金や、近隣にある函館市旧イギリス領事館(開港記念館)、函館市北方民族資料館、函館市文学館と合わせて利用できる共通券もある。

函館ジャーナリズム

北海道教育大学 函館校の二年生による『地域プロジェクト』という活動の中で、函館市内のニュースをまとめました。

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