第28回、函館港イルミナシオン映画祭開催

 第28回、函館港イルミナシオン映画祭が12月2月から4日の三日間にわたり函館市公民館にて開催され、全11作品が上映された。また、鈴木亨さんの応募作品である「昭和九十七年夏」が100を超える応募作品の中から第26回シナリオ大賞に選出された。この作品は、太平洋戦争を生き抜いた主人公と、その主人公の家族の姿や戦友との語らいを通して、日本の「いま」を問う物語である。函館港イルミナシオン映画祭実行委員長である米田哲平氏は、この作品について函館の空気感や雰囲気がよく表現されていると評している。

(映画祭1日目の様子) 


 イルミナシオンとはフランス語でイルミネーションを意味し、フランスが映画の発祥地であることから名付けられた。米田氏は、この映画祭のキャッチフレーズを「若き才能たちとの出会い」、「映画を作る映画祭」であると述べる。函館港イルミナシオン映画祭では、シナリオ大賞に選ばれた作品の中から、これまで11本もの映画が制作されてきた。シナリオを募集し映画を作成する、という取り組みを行なっているのは全国でもこの映画祭だけであり、まさに「映画を作る映画祭」と言える。

 映画祭に来場した人からは、「今年も素晴らしい作品ばかりだった」「どの作品も違った面白さがあり、見ていて飽きなかった」というような声が挙げられた。

(映画出演者に贈呈された花束) 


 一方で、この映画祭には世代交代が上手く出来ていないという課題もある。来場者向けのパンフレットに大きな文字で「スタッフ募集」と記載しているが、若者スタッフがなかなか集まらないのが現状だ。このことについて米田氏は、「映画は生き物のようなものであり、制作者をはじめ、映画祭に携わる人々の世代交代が必要不可欠だ」と述べ、この間題に対してどのようにアプローチしていくのかが今後の課題だと指摘した。

 2年後には30回目を迎える、函館港イルミナシオン映画祭。若者達の力を借りて素晴らしい映画を作り、より多くの人に映画祭の魅力を知ってもらいたいとのことだ。

函館ジャーナリズム

北海道教育大学 函館校の二年生による『地域プロジェクト』という活動の中で、函館市内のニュースをまとめました。

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