「函館市における自転車盗難の増加」
「現在函館市での自転車の盗難が増加している。」そう語るのは函館中央署 警務課の中西美里さんである。函館市の自転車盗難件数は昨年に比べ1.5倍増加している。各年の上半期における自転車盗難の件数を比較すると、平成31年度の上半期は60件、令和2年度は39件と一度減少したが、令和3年度は46件、令和4年度は68件と増加している。今年度の件数はまだ暫定であるため、今後さらに件数が増加することが予想される。盗難件数の増加理由について「コロナ禍が明けつつあり、人々が外出する機会が増えたからではないか」と中西さんは推測する。
また函館市本町周辺での自転車盗難が多いという話を聞いたため、本町に位置するシエスタハコダテ Gスクエア 岡本啓吾センター長に取材を行った。「シエスタハコダテが建設される前から自転車問題はあった」と岡本さんは語る。シエスタハコダテ駐輪場の歴史は浅く2017年4月に運用を開始したものである。シエスタハコダテの地には以前ダイエーデパートが建っていたが、当時は駐輪場がなく、近隣の狭い路地に自転車が雑多に並べられており、自動車が通行するのも困難であった。そのような問題点を以前は抱えていたことから、シエスタハコダテを建設する際に駐輪場も建設された。しかし、この駐輪場は現在いくつかの問題を抱えている。本来であればシエスタハコダテを利用する人のための駐輪場であるが、「みんなの駐輪場になってしまっている」と岡本さんは認識している。近隣の施設を利用する人も、この駐輪場を利用してしまうという問題がある。駐輪場が混雑することでトラブルが増加する。例えば、自転車の盗難、ライトなどの自転車パーツの盗難である。この問題を解決すべく、写真のように、ポスターの掲示や防犯カメラの設置など、警察とも連携し対策を講じている。
また「素行不良な若年層が、この1~2年で増加傾向にある。コロナ禍での生活様式や、社会の在り方がこのことに影響を与えているのではないか」と岡本センター長は語る。彼ら自身は悪いことをしているという認識はなく、施錠されていない他人の自転車を自分の足として使用している。不良少年と大人がどのように向き合っていくかをよく考えることが自転車盗難に限らず、治安維持や事件の抑制に繋がるだろう。
このような状況下では、自分で自分の自転車を守ることが大切だと中西巡査部長は話す。自転車を守るためには、一般的な対策が一番有効であるという。鍵を2か所にかけるツーロックや、防犯登録が一例として挙げられる。今後は自転車盗難をさせない、されないという意識が必要である。
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