函館市の人口減少の今とこれから


函館の人口減少が深刻な問題だ。1980年の345,165人をピークに減少を続け、2014年4月には、全国の中核市の中で初めて全市域が過疎地域に指定されたほか、2015年2月には住民基本台帳人口で27万人を割り込んだ。そんな函館市での人口減少対策はどのようになっているのか。函館市役所函館市企画部の高由起子さんにお話を伺った。
 
人口減少は、若年層の市外への転出超過や合計特殊出生率の低下などに伴う出生数の減少、高齢化の死亡数の増加などが要因として挙げられ、函館市では、毎年約3000人ずつ減少している。「若年層の市外への転出については、大学の進学や就職がきっかけになることが多い」と高さんは話す。
 
そこで函館市では、第1期函館市活性化総合戦略(2015~2019)を実施、観光客の呼び込みで国から指定された目標人数を達成することができたが、「観光客の増加では函館市の人口減少の根本解決にはつながりにくい」という。
 
これを受けて第2期総合戦略(2020~2024)では、特に子育て支援に力を入れている。一人親世帯は、貧困化し子供の進路に影響を与えるため、親の経済的自立が目標だ。
 
コロナの影響で外出が制限され、出会いの場が著しく減少して結婚数が少なくなっている。また、病院感染を恐れて健診が減少し、病気の発見が遅れて死亡率が高まるなどの懸念もある。
 
一方、函館市西部地区の再整備は全国的にみても先頭を走っている。高齢者が多く空き地、空き家の多い西部地区だが、古民家を利用したカフェや、教育大も関わる「わらじ荘」のような活動が活発だ。高齢者の力を借りながら地域活性化を目指すという取り組みを全国に横展開していきたいと高さんは話す。
 
函館市は、IT企業の待遇が首都圏と比べても遜色ないが、職種が少ないことにより、ITに強くない若年層が函館に戻ってきて就職するというケースはかなり少ないのだという。今後、就職のジャンルを増やすことが必要になってくるのだと話す。高さんは最後に、「若者たちが函館市にどのようなものを必要としているのか、ぜひ意見や要望を聴かせてほしい」と話した。

函館ジャーナリズム

北海道教育大学 函館校の二年生による『地域プロジェクト』という活動の中で、函館市内のニュースをまとめました。

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