JAL函館支店長の今村妙子氏「道南地域の観光資源の採掘を」
2023年5月8日、およそ3年間猛威を振るい続けた新型コロナウイルスは、感染法上の第5類へと格下げになることが政府で正式に決定され、コロナ禍前の生活に回復していくことが期待されている。函館市では、2022年11月頃から今年にかけて観光客は徐々に増加し、街はかつての活気を取り戻してきた。コロナ禍で大きな打撃を受けた航空業界も例外ではなく、明るい光が差し込んできた。観光都市の函館市をはじめ、道南地域の観光資源を開拓していくことが益々盛んになりそうだ。
(道内路線を結ぶコミューター機ATR42-600型機。札幌-函館間は多いときで1日に5往復ある。)
「道南地域とのつながりを実現することが私の仕事です」こう語るのは、日本航空株式会社函館支店長の今村妙子氏(55)だ。同氏は2021年11月、同社初となるCA出身の支店長として函館支店長に就任した。就任後は、航空旅客収入の最大化を図るとともに、地域創生活動に力を入れているという。
現在日本航空には、さまざまな課題を持つ地域社会において国内外におけるヒトやモノの循環・流動を拡大し、地域、日本を元気するための活動である「JALふるさと応援プロジェクト」が存在する。その活動は、道南地域も例外ではない。この活動はJALのプレゼンス向上とともに、地域に根ざした活動を知ってもらうことが目的だという。地域が元気になることで、将来、間接的にJALの本業である航空機ビジネスを支えることにもつながるという。
(JAL函館支店長の今村妙子氏。CAで育んだ精神を函館支店就任後にも活かしているという。)
しかしながら、道南地域の観光資源は採掘され尽くしていないのが現状だ。道南地域に滞在する観光客の滞在期間は基本的に1泊が多く、函館市内の主要観光資源を巡るにとどまっているという。JAL函館支店は今年に入ってから環駒ヶ岳広域観光協議会と協働で“訪問の目的となる商品”の開発を行ったが、「北斗市や木古内町、厚沢部町などにも素晴らしい観光資源があるので、是非採掘をしてもらいたい」同氏は、道南地域を訪れる人々にこう呼びかける。ただ、その観光資源を巡るための交通網が足りないことや、知名度、観光する先々の宿泊施設が足りないことなど、改善するべき課題は山積みだ。日本航空函館支店においても道南のワインをテーマにしたツーリズムを企画するなど、理想を追いつつ、できる限りのことをする身構えだ。同支店の今後の活動に一層期待が寄せられる。
「リーダーとして社員の人材育成を図るとともに、地域の皆様の期待に応えていきたい」同氏は今後の同支店と自身の目標についてこのように述べ、笑みを浮かべた。(北山創一朗)
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